
不動産会社
不動産リーシング向けアプリ開発
デザイン案(登場人物・数値は想定)
不動産のユースケース 03|アクイジション(取得)
散らばった投資判断の背景を、次の判断に生かせるナレッジに
田中さん(仮名)不動産ファンド運用会社 アクイジション部 入社5年目
物流施設やオフィスの取得を担当し、年に10件ほど投資委員会に案件を上げる。AMとの協議は週に5〜6本あり、毎月届く形式の異なるAMレポートは20物件分にのぼる。
田中さんは不動産ファンドで、物流施設やオフィスの取得を担当している。新しい案件を検討するとき、まず知りたいのは「似た物件を以前どう判断したか」だ。同じエリアで見送った案件はなかったか、そのとき何が決め手だったか。しかし投資委員会の資料には結論と数字は残っていても、そこに至るまでの議論やAMとの協議の中身は、議事録やメール、担当者の手元のメモに散らばっている。結局は先輩に聞くか、古いフォルダを一つずつ開いて探すことになり、半日がかりになることもある。
毎月の仕事も重い。各物件のAMから届くレポートは会社ごとに形式が違い、稼働率や賃料、修繕の進み具合がどこに書いてあるかもまちまちだ。20物件分を読み込んで社内向けの報告資料にまとめるだけで、毎月まる2日が消えていく。数字を転記する途中で桁を誤り、上司に指摘されたこともある。
そこで想定するのが、会議の内容をそのままナレッジにする仕組みだ。AMとの協議や社内の検討会議の音声は自動で集められ、クラウド上で文字起こしされたうえで、物件名・論点・決まったこと・残った宿題に整理されてためられる。田中さんが会議のたびに議事録を書き起こす必要はない。会議に出ていなかったメンバーも、要点を読めば協議の流れをつかめる。
ためたナレッジは、普段使っている生成AIから参照できる。田中さんが「○○エリアの築20年前後の物流施設で、過去に見送った案件と理由を教えて」と聞くと、AIは該当する協議の要点を、どの会議のどの発言かという出典つきで返す。投資委員会の前には、自分の資料を渡して過去の委員会でよく指摘された観点に照らしたセルフレビューをかけ、AMへの依頼事項に漏れがないかも確かめる。AMレポートからは報告資料の一次案がつくられ、田中さんは数字と表現を確かめて仕上げる。
取得するかどうかを決めるのは、あくまで投資委員会と田中さんたちだ。AIは過去の判断を探し出し、見落としを指摘するところまでを受け持つ。過去と同じ結論を出すべきかどうかは、市況やテナントの状況が変わっていることも踏まえて、田中さんが自分で考える。それでも、どこまでが過去に議論済みで、どこからが新しい論点なのかがはっきりするだけで、委員会での議論は深まる。
会議の音声からナレッジ化まで自動で。蓄積したナレッジは普段使いの生成AIから引き出す。
散らばっていた投資判断の背景を、次の判断に生かせる形にする。
仕組みで自動化
生成AIで活用
想定するアプリでは、主に次のようなことができる。
bloomがこのアプリをつくるなら、まず何をナレッジとして残すべきかを担当者と一緒に決める。会議をすべて文字起こしするだけでは、あとから探せる形にならないからだ。過去の投資委員会の資料と協議の記録を見ながら、次の判断で何を知りたくなるかを聞き取り、整理する項目を決める。会議の録音や保管先は、社外秘の情報を扱う前提で、権限と保管場所を最初に情報システム部門とそろえておく。
AIに任せるのは、探す・まとめる・漏れを指摘するところまでだ。どの論点をどれだけ重く見るかという判断は人に残す。試用では、実際の案件の検討の中で類似事例の検索を使ってもらい、探していた情報が出てきたかを担当者に確かめながら、整理の項目と答え方を直していく。
過去の判断を探す時間が半日から数分に縮まり、新しい案件の検討に過去の議論を生かせるようになる。AMレポートのとりまとめも、AIがつくった一次案の確認と修正が中心になる。
| 業務 | いま | 導入後(想定) |
|---|---|---|
| 類似事例の調べもの | 約半日 | 約5分 |
| AMレポートのとりまとめ | 毎月まる2日 | 毎月半日ほど |
| 会議後の議事録づくり | 1本約1時間 | 確認のみ約10分 |
次の判断で何を知りたくなるかを聞き取り、残す項目と、録音・保管の権限を決める。
会議の取り込みとナレッジ化、類似事例の検索に絞った初版をつくる。
実際の案件で使ってもらい、セルフレビューと報告資料の一次作成まで広げる。
「投資判断のナレッジ化」のような取り組みを、貴社の業務に合わせて。構想から開発・定着までご一緒します。まずはお気軽にご相談ください。