デザイン案(登場人物・数値は想定)
製造のユースケース 03|生産管理・購買
内製・外製の分類
部品ごとに、社内で加工するか外部に頼むかを仕分ける
想定する利用者
山田さん(仮名)従業員180名の装置フレーム・製缶メーカー 生産管理課 入社8年目
見積案件ごとに部品の内製・外製を仕分ける担当。1案件の部品は30〜80点あり、仕分けと外注先への見積依頼の準備に1案件あたり半日ほどかかっている。
課題
- どの部品を社内で加工できるかは、設備の能力や過去の手配を覚えている担当者の頭の中にある。
- 仕分けが終わるまで外注先への見積依頼が出せず、見積の回答全体が遅れる。
- 仕分けの理由が残らず、後から「なぜ外に出したのか」を説明しにくい。
こう解決
- 図面から部品ごとに材質・寸法・加工内容を読み取り、社内の設備の条件と過去の手配の記録に照らす。
- 部品ごとに内製・外製の分類案を理由とあわせて示す。
- 担当者が案を確かめて確定し、外製の部品は見積依頼が必要な項目として一覧にする。
内製か外製かの仕分けを、理由つきで先に出す
山田さんの会社には、装置のフレームや架台の見積依頼が週に5〜6件届く。図面の中には、社内のレーザー加工機や曲げ機、溶接で作れる部品もあれば、大型の旋盤加工やめっき、鋳物のように外の協力会社に頼む部品、ボルトやベアリングのようにメーカーから買う部品も混ざっている。どれに当たるかで見積の進め方が変わるため、山田さんは案件ごとに部品を一つずつ確かめ、内製・外製に仕分けている。
仕分けの判断には、社内の設備で切れる板厚や曲げられる長さ、過去にどの協力会社に何を頼んだかといった知識が要る。山田さんは8年の経験でそれを覚えているが、1案件30〜80点の部品を仕分けるには半日ほどかかる。仕分けが終わるまで外注先への見積依頼が出せず、山田さんが休みの日は案件が止まる。仕分けた理由も記録に残っていないため、後輩に任せようにも教えようがなかった。
そこで想定するのが、部品ごとの分類案を理由つきで先に出してくれるアプリだ。山田さんが図面を入れると、AIが部品ごとに材質・寸法・板厚・加工内容を読み取り、社内の設備の条件や過去の手配の記録と照らし合わせる。そのうえで「板厚12mmでレーザーの上限を超える」「同形状を過去3回○○製作所に依頼」のような理由を添えて、内製・外製・購入の案を一覧にする。判断の材料が足りない部品は「要確認」として残し、無理に分類しない。
案を確定するのは山田さんだ。工場の負荷が高い時期なら内製できる部品をあえて外に出すこともあり、その判断はAIにはできない。山田さんが案を見直して確定すると、外製と購入の部品は見積依頼が必要な項目として一覧になり、依頼先の候補と数量が添えられる。仕分けの理由も残るため、後輩が同じ案件を引き継いでも、なぜそう決めたかをたどれる。
ある月、山田さんが1週間の休暇を取ることになった。以前なら休暇の前後に仕分けがたまっていたが、今回は入社2年目の後輩がアプリの案と理由を見ながら仕分けを進めた。判断に迷った2点だけを工場の班長に確かめ、外注先への見積依頼も予定どおりに出せた。休暇明けの山田さんは、後輩が確定した仕分けと理由を見直し、条件の足りなかった部品を1つ設備の条件に書き足した。仕分けの知識が少しずつアプリと後輩に移っていく。
部品ごとに内製・外製を仕分け、見積の段取りを早く決める。
AIの分類案を、担当者が確かめて確定する。
AIで対応
- STEP1部品の洗い出し図面から部品と加工内容を拾い出す。
- STEP2条件との照合社内の設備の条件や過去の手配の記録と照らし合わせる。
- STEP3分類案の提示部品ごとに内製・外製の案と理由を示す。
担当者
- STEP4分類の確定案を確かめ、外製分の見積依頼を進める。
想定するアプリでは、主に次のようなことができる。
- 部品の洗い出し。図面から部品ごとに材質・寸法・板厚・加工内容を拾い出す
- 条件との照合。社内の設備で加工できる範囲や、過去にどこへ手配したかの記録と照らし合わせる
- 分類案の提示。部品ごとに内製・外製・購入の案と理由を示し、判断できないものは要確認として残す
- 見積依頼の一覧。確定した外製・購入の部品を、依頼先の候補と数量つきで一覧にする
bloomがこのアプリをつくるなら、まず社内の設備で何ができて何ができないかを、生産管理と工場の担当者と一緒に書き出す。設備の仕様書だけでなく「この機械でこの厚みは実際には避けている」といった現場の運用も聞き取り、照合の条件に反映する。分類の案を出すのはAI、確定するのは担当者という線引きにするのは、工場の負荷や納期、協力会社との関係など、図面に書かれていない事情が仕分けを左右するからだ。
初版は過去の案件を使って、ベテランの仕分けとAIの案がどれだけ一致するかを確かめるところから始める。食い違った部品を山田さんと一緒に見直し、条件の足りないところを補ってから、実際の見積依頼で使ってもらう。
想定される効果
1案件の仕分けが半日ほどから1時間ほどに縮まり、外注先への見積依頼をその日のうちに出せるようになる。仕分けの理由が残るため、ベテランが不在でも後輩が案件を進められる。
| 業務 | いま | 導入後(想定) |
|---|---|---|
| 1案件の内製・外製の仕分け | 約半日 | 約1時間 |
| 外注先への見積依頼を出すまで | 2〜3日 | 当日中 |
| 仕分けを任せられる担当者 | 1人 | 3人 |
bloomの進め方(想定)
- STEP1業務の整理約1か月
社内の設備でできる範囲と過去の手配の記録を工場と一緒に整理し、AIの案と担当者の判断の境目を決める。
- STEP2初版の開発約1か月
分類案と理由を出す初版をつくり、過去の案件でベテランの仕分けとの一致を確かめる。
- STEP3現場での試用と改善約1か月
担当者に実際の見積依頼で使ってもらい、条件の不足や見積依頼一覧の形を改善する。
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